後宮食医の薬膳帖 廃姫は毒を喰らいて薬となすってどんな小説？

　後宮食医の薬膳帖 廃姫は毒を喰らいて薬となすはWeb小説サイトである小説家になろう・カクヨムで掲載されています。

ジャンルはミステリー×恋愛

中華×現地女主人公×グルメをメインテーマとしている本作は

2022/6/1 から連載されていて現在連載中(2025年4月24日現在)の作品となっている。

総合評価は10,596pt(本記事公開時点)、文字数は429,001文字(2025年4月24日現在)と長編作品となっているため本作を読むべきか悩んでいる人も多いと思う。

そこで本記事では「後宮食医の薬膳帖　廃姫は毒を喰らいて薬となす」の魅力についてとおすすめのポイントと自身の感想を併せて紹介していきたいと思う。

どんな人におすすめ？

• 主人公は女性
• なろうの中でも硬派で美麗な文章が読みたい人
• 主人公の地位はほぼ最上位から最下層スタート
• 能力の高さを武器に味方を増やし、後宮内で一部の人に認められていき始める物語が見たい人
• ハーレムは求めていない人
• ヒロインが好きなバディ(男)は表面上は冷たいけど実際は…なギャップが好きな人
• 安易な転生チートは求めていない人

序章とあらすじの紹介

　web小説を読む層の大多数は簡素な表現で書かれた小説つまり、可読性と面白さを兼ね合わせているかどうかを第一話に求めている。一方、web小説で抽象的描写を好まないような読者にも読ませる文章力が本作にはある。

　本作の導入は、以下のような描写からはじまる。

　菊の頚くびが、ぼとりと落ちた。

　冬を俟またずに訪れた八朔はっさくの雪が茎を折ったのだ。人々は雪に埋もれた菊を踏みしだいていく。それは、誰にも哀しまれることのない死だった。

1　その姑娘、毒となるか 薬となるか　より

　いきなり読むと何のことかわからないよ思うが、1話を読み終えるとこの3行が何を意味していたかがわかる。

　第1話では、主人公・慧玲（フェイリン）の父であり、先の皇帝である人物が新たに帝になった男により処刑される。しかし、その死を悼む者は誰一人おらず、慧玲はその事実に深い悲しみと絶望を抱く様子が描かれている。

　難解な表現は不要と捉える人もいるが、物語の世界観を表現するにはこの上なく適切だといえる。

病気とは異なる《毒疫どくえき》を治療できる唯一の存在

　先帝の死後、毒疫が市井で流行しつつあり世が乱れてつつあった。毒疫とは、《木》、《水》、《土》、《火》、《金》の5つの毒が特徴を持って身体に侵食していくものでした。

　そんな毒疫が後宮内でも流行しじわじわと妃や女官らに襲いかかる。後宮にいる医者が匙を投げる中、慧玲（フェイリン）が現れます。

　慧玲（フェイリン）は先帝の罪から罪人の娘として、後宮の底辺職ながらも白澤（はくたく）の母としての知識が惜しまれ、現在の帝の命により《後宮の食医》として生きることを許されていたのです。慧玲（フェイリン）は、それぞれの毒に合わせた食材を組み合わせて調合した薬となる薬膳(中医学の理論に基づいた健康料理)をもって毒を制することができたのです。

風水師の男は後宮の《毒》か《薬》か？

　春の季節が訪れ、宴が開かれることになり、皇后陛下から宴の膳を準備を依頼されることになる。

　当日を迎えた慧玲（フェイリン）だが、宴のために準備された食材の中には、毒が仕込まれていることに気づいた彼女は、毒を中和する膳に仕上げて難を乗り越えることができました。

　その後、後宮で暮らす慧玲（フェイリン）の前に現れた風水師の男、鴆(ヂェン)。彼は自らが宴の膳に毒を入れたという。毒によって皇后陛下らが死ぬことで、その責任を慧玲（フェイリン）に向かせるためであった。

　彼の正体は左丞相(さじょうしょう)に雇われた暗殺者であった。彼は子供の時に親からあらゆる毒を仕込まれ蠱毒をその身に宿していた。直暗暗殺するため、鴆(ヂェン)は慧玲（フェイリン）に対し口付けし毒を流し入れた。

　慧玲（フェイリン）の毒を克服する様子を見た鴆(ヂェン)は彼女に宿る毒。復讐の炎を見抜く。

　影で嘲笑われようとも、慧玲（フェイリン）は生きる理由があった。現在の帝の存在は復讐の炎そのもの、生き続けるための燃料であり、毒でもあった。

鴆(ヂェン)は慧玲（フェイリン）に興味を持ち、彼らはこの後何回も相見えることになっていく。

あらすじ

後宮食医の薬膳帖 廃姫は毒を喰らいて薬となす　　作者：夢見里 龍

帝国・剋は木火土金水が毒となる”禍”に見舞われていた。四肢から梅の咲きみだれる妃嬪！突如発火した皇后！鱗の生えた妃妾！これらの奇病はいかなる典医にも解毒できない。ワケあり食医の娘を除いては。
慧玲(フェイリン)
処刑された先帝の姑娘である彼女は後宮中から疎まれながら、患者たちを解毒していく。最高に美味しい《毒》を飲ませることで。
白澤の叡智を受け継ぐ最強の食医（鋼鉄メンタル）が毒師の暗殺者（イケメン×毒デレ？）と逢ったとき、国の運命が大きく動きだす。

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最後に〜感想と合わせて〜

　後宮食医の薬膳帖　廃姫は毒を喰らいて薬となすは白澤（はくたく）の知識を有する慧玲が、後宮に巣食う毒に対して力強く生きていく彼女が薬を持って制していく、罪を犯した先帝の謎を背景にしたミステリー要素とほろ苦い恋愛要素が合わさった読み応えのある作品である。

　食膳の力で毒疫と戦う彼女の姿に後宮でも助けてくれる仲間ができる。物語が進むと、彼女の過去が鴆と出会うことで少しづつ明らかになる。さらに、暗い過去と向き合う慧玲と鴆の距離が少しづつ深待っていく恋愛的な要素も含めた作品となっています。　

　最後になるが、私の最新話までの感想として…慧玲と鴆イチャイチャしすぎだろ！キスしまくりじゃねえか！(いいぞもっとお願いします)

　ミステリーと恋愛要素を絡めたファンタジー作品として、後宮を舞台に孤立無縁から始まり生き抜いていく彼女の強さを見届けて欲しい。